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視覚障害者向けの事業所における空間把握行動と地域生活

視覚障害者向けに設立された事業所にご協力いただきながら、視覚障害者の空間把握行動や地域生活について長期的な変化を明らかにすることを目的としています。

空間把握行動

晴眼者であっても、自宅ならば暗闇の中で電気のスイッチを見つけたり、コップを見つけたりすることができると思います。それは、自宅において生活行為を繰り返すことで、動作が身体に染み付いているからです。

視覚障害者も、初めて訪れた環境と慣れ親しんだ環境では、空間把握行動は変化します。
本研究では、事業所での長期的な行動観察から歩行経路の変化を明らかにし、行為-環境が熟達する過程を捉えています。

歩行中に必要な手がかりが変化することから、可変的な目印の必要性が示唆され、簡易目印の開発にも繋がりました。


Momoka Hirai:Spatial cognition and alterations in people with visual impairments, the 54th Annual Conference of the Environmental Design Research Association, Mexico City, 2023にて成果発表

地域生活

事業所の利用開始前後での生活の変化や、地域との繋がりの変化などについて、事業所の利用者、運営者の方々にお話をお伺いしています。

近年は新型コロナウイルスの影響が大きかったため、ようやく調査が本格化してきたところです。

晴眼者の視点

最終的に目指すのは、視覚障害者と晴眼者の両者にとって居心地の良い環境です。

晴眼者のスタッフの方々へも、環境整備にあたって意識していることや、視覚障害者の方々と同じ空間で過ごす中で気付いたことなどについてお伺いしています。