公共空間、街路空間における乳幼児とその親の滞在行為
2020年に子どもを出産後、親子の外出には様々な制約が多いことに気づきました。
西日本新聞(*)の調査によれば、休日の家族の主な外出先は公園・外食・ショッピングの3つが約78%を占めています。これを見て、「親子は公園・ファミレス・ショッピングモールにしか居場所がないのか…」と、建築に携わってきた人間として衝撃を受けました。
一方で、子どもの「空間」の捉え方は大変ユニークで、自分の物の見方がアップデートされていくような、新たな可能性も感じました。
そこで、同じ課題意識を持っていた先輩ママ友の研究者の方々と、親子の外出・居場所に関する研究を始めました。
文化施設における親子の滞在行為

1〜5歳の親子5組と、せんだいメディアテーク施設職員の皆様にご協力いただき、親子で施設内に滞在する様子を追跡調査しました。
子どもたちの元気いっぱいな動線をトレースし、親子がどこで何をしたかをプロットして、環境と行為の関係や、年齢に応じた変化を分析しました。
特徴的なチューブの周りで立ち止まりじっと見つめるなど、子どもたちは空間の力を確かに感じながら行動していました。
平井百香, 錦織真也, 羽田光, 石垣文:せんだいメディアテークにおける乳幼児と保護者の空間利用 乳幼児子育て家族の文化施設利用に関する研究 その1, 日本建築学会大会学術講演梗概集, 2022
にて成果発表
配慮の必要な子どもとその親の外出行動
乳幼児親子の外出にはまだまだ課題が多いことが分かってきました。では、障害などを有する配慮の必要なお子さんとその親御さんは、もっと大変な状況に置かれているのでは…?
私はもともと視覚障害関連の研究を行っていたため、配慮の必要な子とその親御さんの外出行動も知りたいと思い、アンケート調査を行いました。成果は以下の論文にまとめています。
平井百香, 宮本愛, 錦織真也, 新井信幸:配慮の必要な子どもの親の外出に関する意識からみるインクルーシブな遊びの場に向けた課題 -宮城県を事例として-, 都市計画論文集, 58(3), 1344-1351, 2023
https://doi.org/10.11361/journalcpij.58.1344